探偵ごっこ 第1章<17>

11月末の平日、旦那が突然、振休を取った。

何かある!

そう思い、私も急遽有給を取って後をつけてみた。探偵ごっこだ。

夫はいつもの出勤時間と同じ時刻に朝、家を出た。その後、新宿のネットカフェに居る。

私も追って家を出発し、ネットカフェの入る雑居ビルの下で待機。

出入り口は2つあるが、メイン出口のひとつに絞り、待つ事2時間半。

日陰は寒い、、、ひなたに居よう。

・・・出てこない。退屈。

飽きた。

探偵さんの気持ちになった。仕事とはいえ、複数人で張るとはいえ、大変な仕事だ。

5分がとてつもなく長い・・・

ひとつの入り口から目を離さない、ということがこんなにも辛いとは。

ちょっと後ろのカフェに入って、窓側の席から見ていようかな。。。

でも注文しているときに外に出られて見失ってしまったらどうする?今までの努力が水の泡だ。

あぁ、ここも日陰になってしまった。あそこのひなたに移動しよう・・・

本当に今日何か起きるかな・・・帰ろかな。。。

冷静になる自分と、いやいや、ここで証拠を!と焦る自分とのせめぎ合い。

暇なので音楽を聴いてみた。

秦まさのりのひまわりの歌で涙が出た。

アホらし。

結局、昼まで出てこないので今日もハズレか、と今までの旦那の足取りを実際に歩いてみることに。

浮気疑惑コースを散歩することにした。

東京駅、神田、銀座、築地・・・

私が子育てで毎日時間に追われて大変な時に、アイツは賑やかなこの繁華街で女と楽しく食事して、ホテル行っていたと思うと、本当に殺してやりたくなる。

いや、殺すのは一瞬の苦しみなので、長々と苦しめて地獄に落としてやろう。

その為に証拠を、、、

あいつから金を搾り取り、1番あいつが大変で苦しむ時に、捨てよう。

それが私の復讐だ。

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